2014年2月13日木曜日

大気超温熱化 3


 
世界中で文明が起こり、消えていきました。そしてそのどれを見ても文明の衰退は必然的に環境破壊によってもたらされるということが見て取れます。

中国を見てみましよう。昔は緑に覆われ、いくつもの王朝を作り出した黄土高原。今は不毛の砂漠となっています。私たちはかって黄土高原の玉門関にある昔の皇帝の巨大な穀物倉庫跡を訪ねたことがあります。そこには川が流れていたそうですが、今や巨大な土壁が残るのみです。何がこの荒廃をもたらしのでしょう。栄耀栄華の陰にある権力と富に対するむき出しの欲望、人命と自然の軽視と破壊、自然資源の使い果たしなどです。後に残されたのは貧困と迫り来る地球の終焉、つまり、水不足、砂漠化、黄砂、食料不足です。中国の人たちはこの状態を長年にわたって放置してきました。そして、今になってようやく環境修復に取り掛かろうとしています。

私たちはこの遺跡を見て、その雄大さにおどろくとともに、この状態を創り出した人心を座視していていいのだろうかという思いに取りつかれました。日本に影響はないのだろうか?わたしたちの子ども達の将来は安全なのだろうか?中国人は環境を守るために何をするのだろうか?などです。

もし世界が人口100人の村だったらと仮定すると、そのうち2人は日本人で、その2人が5人分の二酸化炭素を排出していると言われています。その100人によって排出されているCO32%は火力発電所や製油所から、31%は工場から、20%は車によって、9%は会社や病院や商店からで、5%は家庭、3%は廃棄物処理施設からの排出だそうです。そして、その排出されたCOによって世界では1秒間に、テニスコート20面分のの森林がきえています。中国では1秒間に、畳48枚分、つまり、78m2の土地が砂漠になっています。それでも、そのようなことには関係ないというような顔で安楽な生活、スピード、(車中心の生活)を求める私たち。求めるのは手抜き、環境よりもお金、石油に頼る経済。代替燃料開発は遅れる一方。みんな自分さえ良ければそれでいいと言う考え方に固執し、目先だけの対応、「変化」に対する抵抗や疑念、解決先延ばし、経済(金儲け)優先が目立ちます。これら全てが大気温暖化を誘発し、悪化させています。

つまり、現在は生産も加工も販売も石油・化石燃料に大変に依存しています。でも、私たちが覚えておかなければならないのは、石油はやがて枯渇してしまうということです。石油が駄目なら石炭にしようというのは無責任です。必要なのは脱化石燃料という試みです。

2006年度現在、世界の発電量は毎時18.5兆キロワットで、この3分の2は化石燃料(40%が石炭、6%が石油、20%が天然ガス)、15%が原子力発電、16%が水力発電、2%余りが他の再生可能資源によるものです。石炭による発電が40%にも達し、電力消費に関しては火力発電によるCOの排出は70%にも達するので、何としてでも、新たらしい火力発電所の建設は控えなければなりません。

それでは二酸化炭素を出さない原子力発電をという日本の政治家の意見にも同調できません。なぜならば、福島で経験しているように放射能の害があまりにも大きいからです。そして、私たちは有効な廃棄物処理法を持たず、世界中に放射能の恐怖と害をまき散らしているからです。

この世で一番大切なものは何でしょう?一度じっくりと考えてみましよう。お金ですか?金儲けの為の活動ですか?あなたの命、お子さんの命、健康が一番大切ではないでしょうか?もしそうであったら、今まで後生大事にしていた自分の価値観、思い込みを切り替えることが必要ではないのでしょうか?つまり、想念を180度転換するとことです。想念を変えるということは、生活を完全に変えるということ、生活水準を変えるということ。頭の中の運動ではありません。

大気温暖化防止などは政府のやる仕事だなどと簡単に片づけないで下さい。自分たちで創り出したこの大問題を解決しなければ、我々は遠からず自滅です。先ず周りの人たちとこの問題を討論し、出来ることを始めるべきではないのでしょうか?

そのためには先ず自分から変わる、皆で変わる、そして、改めるための行動を起こす必要があります。地方自治体と中央政府を突き動かしましょう。あなた方が黙っていれば、お役人は「事なかれ主義」で何もしません。

私たちが率先してやらなければならないのは、現在、僅か2%しか占めない代替エネルギーによる発電を精力的に増やすことです。太陽光、太陽熱、風力、地熱、海洋潮流循環、水素などの利用を推進することです。日本には技術があります。その気になれば資金は出て来ます。現在ないのは、国民、役人、政治家の「やる気」です。

生産には持続性と環境との共生を模索し、私たちの世代で限りある地球資源を使い尽くすことは許されるべきではありません。これからは化学肥料ではなく,有機農法の時代です。植林を世界中で行い、CO吸収を促進させなければなりません。

私たちは先ず毎日の生活における4R(断る、減らす、再利用、リサイクル)を旨とし、電気、ガス、水などの節約を勧めましよう。自分の住んでいる場所で、学校、公の建物、家庭に太陽熱・太陽光発電と温水を導入するよう運動を始めましょう。自動車運転を50%以上減らしましょう。炭素税導入を推進しましよう。エコ グッズを買い、白熱灯(普通の電灯)をやめてLEDにしましょう。それから、難しいのですが、食生活を変える必要があります。肉類や魚類(特に養殖のもの)の摂取を大幅に減らして健康になる、工場で作った食品はなるたけ避け、無農薬で化学肥料を使わない野菜に切り替えることです。質素を旨とする。不便を苦にしない。

白熱灯をLEDに変え、信号機を発光ダイオードに変えるだけで、世界で照明に使われる電力を現在の19%から7%に減らすことが出来ます。これは、705もの火力発電所が不要になるということを意味するのです。因みに現在世界には2,370の火力発電所があります。更に、日本中の自動販売機を廃止するだけで、原発一基分の電力が節約できる、CO2の排出を少なくすることができるのです。自動販売機がなくなったら国民は生活に困窮をきたすでしょうか?

日本の首相は国際社会で世界を救う為に思い切った提言をしなければなりません。そして、他国に先駆けて日本がその提言を実行に移さなければ、誰もこの国を信用してくれないのです。過去20年近く、日本は世界のためにする努力を減らしてきました。そのため、世界各国は日本を軽視し、今や「ジャパン パッシング」という状態になっています。今、私たちが見て、知っているのは、日本経済を活発化するために世界中に原発を輸出する努力です。悲しいことです。ただ唯一の救いは小泉元首相が原発反対の声をあげ始めたことです。

以上、述べたことをまとめますと、

       地方自治体の首長ははっきりとした地球温熱化を止めるための指針を示し、各公共機関は太陽光・太陽熱発電のパネルを、または、他の再生可能エネルギー開発のための投資をすべきです。公用自動車は全部ハイブリッドに切り替えなければなりません。

       企業の経営者はあらゆる事業所におけるエネルギー節約と車、その他の車両による燃料使用量削減を打ち出し、エコ・イノベーションを表明すべきです。

       学者、有識者、市民組織の代表は市民の意識改革に責任を持ち、啓発に努める要があります。今や個人や地方自治体の不便を理由に環境改善に反対すべきではありません。

       政府や政治指導者たちの近視眼的な視野に基づいたエネルギー政策や無作為は許してはなりません。

 上記の提言は一刻の猶予もなく実行に移されなくてはなりません。人類の将来は、あなたのお子さんやお孫さんの将来は、私たちが何をするか、またはしないかにかかっています。私たちは座視しているわけにはいきません。

 ここは皆さんの覚悟が問われ、緊急な対応が求められているのです。

 

 

 

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