2014年3月24日月曜日

ネパールから帰国しました






 3月18日、10日間の日程を終えて、早朝無事にネパールより帰りました。この10日間に参加者一同様々な経験を積み、多くのことを学びました。私は年長者ということで皆さんにすっかりお世話になり、荷物も持ってもらって楽な旅をさせていただきました。でも、2年間海外旅行をひかえていた関係で、体力が今一つという感じで、正直に言えば少々疲れました。帰国しての翌日にはマッサージを受けて体をほぐしてもらい、すっかり生き返ったような気がしています。
 詳細は後日NPO2050ホームページに掲載しますので、今回は研修旅行の概要をご報告致します。 私たちはカトマンヅ到着後すぐに国連開発計画を訪問し、野田章子代表の歓迎と説明を受け、国連の女性の地位向上のためのプロジェクトとマイクロファイナンスのプロジェクトの視察を行いました。さすがに国連のプロジェクトだけあって、すべてうまく組織され、運営されていました。私たちの視点からすると、なるたけ関係者たちに自助努力で問題を解決する「OKバジ」アプローチを導入して、一刻も早く地域の女性たちが立ち上がることを祈ってやみません。それから、インドと国境を接するダン地方に飛び、私たちが支援しているSister home(サイニ・チャウダリーさん)の運営する貧困子女を支援する奨学金制度の説明を受けました。現在9名の高校生・大学生が将来を夢見て勉強中でした。更に、学校に行きたくても行けない子どもたちのための小学校・貧困女性たちに技術を習得させるラーニングセンターを訪ねました。この地方は、ズバリ言って、「農奴」が非常に多い場所。貧困撲滅と女性の地位向上が何としても必要な地域です。ここで活動を主催しているサイニ・チャウダリーさんは、私が期待する以上の活動を行っており、それぞれ進歩がみられ、将来に希望をつなぐことができました。サイニさんのご主人は有機農業を推進中で、特にお願いしてGP農法を実験してもらっています。ご主人の話では、GPの液肥を撒いた畑では作物の成長が素晴らしいとのこと、私が見ても、そこは青々と野菜が育っていました。私はGPセラミックをさらに一対おいてきて、GP農法が推進されることをおねがいしてきました。 会員参加型研修旅行の素晴らしい成果と言えるであろうサプライズもありました。参加者たっての要望で、サイニさんが活躍を広げることができるようにと、Sister homeのための新たな基金が設立されたのです。設立基金は皆の貴重な旅先でのポケットマネー。金額は少ないのですが、現地でのマイクロファイナンス用基金の原資となるに足るほどの金額となりました。今後NPO2050で詳細を決定し皆様に改めて基金へのご協力を仰ぐことができると思います。 その後は、車で6時間ほどかかるOKバジの活動地域(山また山の断崖絶壁に囲まれた地域)に入り、パルパ地方のタンセンという町で、彼の実施している奨学金制度について学び、奨学生3名と会うことができました。日本出発に先立って吉田先生からお預したOKバジの活動支援のための資金は無事にOKバジにタンセンで渡すことができました。OKバジは多額の支援を毎年のように頂いて大変に感激しておりました。奨学生には3名に会うことができました。それぞれ大学で語学や社会学の勉強を楽しんでおり、将来は教師になることを夢見ていました。3人とも勉強ができる機会を頂いたことを深く感謝しております。 その後、タンセンから20周年記念式典の開かれるランプールまで、また断崖絶壁に肝を冷やしながら3時間ほど車で移動。式典は現地の人たち数千人(日本からの参列者は約100人強)が参列して、立派なものでした。いかに彼が尊敬され、好かれているかが一目瞭然でした。OKバジに対する感謝状と花輪の贈呈が延々と続き、NPO2050の参加者は、式典終了の少し前に「足元の明るいうちに」とタンセンに戻り、「よくまあご無事で」と安どの胸を撫で下ろすことができました。でも考えてみれば、OKバジはこういう道を人々救済するために20年間行き来して、その間に死にそうな目にも遭っているわけで、彼の現地の人たちに対する無条件の思いやり、無私の支援、現地農民たちの自立を促す活動には全く頭が下がりますし、言う言葉が見つかりません。現地の人たちが「OKバジは神様だよ」というのがうなずかれます。 タンセンで一泊してから車でポカラという風光明媚な街に移動。そこからカトマンヅに飛びました。ネパール訪問最後の日はカトマンヅでのんびりと買い物でもと考えていたのですが、生憎、水祭り(道行く人に色絵の具の水をかける風習)に出くわい、でかけると大変なことになるとて、全員国連開発計画代表の野田章子さんの家に招かれ、昼食をともにしました。ここでは皆さんは寛いで、いろいろな経験やアイデアを分かち合い、絵の具をかけられることもなく、満足そうな顔をすることができました。この水祭りは午後4時ごろには終了しましたので、その後、私たちはそれぞれお土産を買ったり、街をぶらついて絵具の消費量の多いのに驚いたりで、ネパール最後の晩を大変ユニークな経験で締めくくりました。 NPO2050の参加者の皆様も後発途上国の実情に曝され、様々なユニークな経験を積まされ、いろいろと勉強ができました。同時に、日本が如何に素晴らしい国であるか、そして豊かな国であるかをも実感できたと存じます。これからは、あまり文句など言わず、感謝して生きて行くことを思い知らされました。以上、今回の旅行は先ず、OKバジに偉大さを実感し、様々なことを学ばされ、有意義な旅行であったかなと考えております。そういう意味でも、OKバジに深く感謝をしたいと存じます。
 6月にはOKバジが帰国して17日には報告会を開きます。18時から20時を予定しております。会場はまだ抑えてありません。詳しいことは後ほどホームページに発表いたします。

2014年3月6日木曜日

3月8日は国際女性の日


 38日は国際女性の日です。地球人口の半分を占める女性、命を産み、育んでくれる女性の安寧、健康、基本的人権などに思いを馳せ、彼女たちがもって生まれた才能を十二分に発揮して世界の平和、人類の健康、思いやりなどが世界の隅々まで行き届くよう、彼女たちが社会開発の主流に参加できるように図るよう、決意し、行動を起こす日です。

 地球人口の半分を占める女性のうち、まともに学校に行け、ちゃんとした判断ができ、自分の子どもたちに人として生きていく上での心得を教えることのできる人たちは少数派なのです。70億を超える世界人口の50%は1日の所得が2ドル以下で、「相対貧困」と呼ばれています。また、12億人は1日の所得が1.25ドル以下で、「絶対貧困」と呼ばれています。「絶対貧困」となると人並みの生活をしたくてもできません。そして、悲劇はその70%が女性だ ということです。

貧困と不健康も相関関係を持っています。安全な飲み水が手にはいらない人たちは11億人。そのため、赤痢とコレラで毎年300万人が死亡。富裕国の乳幼児死亡率は8/1000ですが、50の途上国では 97/1000となっています。貧困層の人たちは病気に関する知識がなく、そのために身を守ることも出来ません。このような人たちの大多数は女性なのです。

貧困者は飢餓に苦しんでいます。FAOによれば、世界人口のうち、85200万人(2002年度)は常に飢餓状態にあり、そのために心身の発達が遅れています。  インドとバングラデシュの5歳未満児の半数は低体重で栄養不良。エチオピアでは47%、ナイジェリアでは31%。彼らは概して農村部辺境地帯に住んでいるのです。

そのため、先ず、こうした女性を救済することが大切です。そして、女性が積極的に開発の主流に乗り出せるよう手を貸さなければなりません。

人が人として生きていくために必要なものは何にもまして「母の愛」、それから、教育。 ですから、先ず、教育を普及させましよう。男女の差別なく。 初等教育、それから中等教育、高等教育という風に。 人にとって、考えること、読み書きできること、自分の考えを口にだせること、人生で何を選択するかなどは基本的人権です。お金がないために学校に行けない子どもは世界で1億人以上。大半が女の子。つまり、彼女たちは「基本的人権」を奪われたままなのです。教育がないとマトモな生活は不可能です。他人に、社会に依存して一生を送ることとなります。こんな不幸はありません。 途上国農村の貧困家庭に生まれた女の子の一生を想像できますか?それは、それは悲惨なものです。

日本では、遅まきながら、安倍首相が「女性の社会進出を促進するために」政府内に連絡会議を設置し、女性の幹部を30%にするのだとうごきだしました。でもこれは、女性たちの自覚と行動力を必要とします。

教育さえあれば、社会参加が出来るようになります。立派な収入を得ることができます。子どもを健康に育て、ちゃんと躾けることができるのです。子どもたちに 愛することを教え、様々な社会貢献が出来るのです。私たちはネパールのダン地方やパルパ地方で貧困子女のために奨学金制度を設けています。私たちの経験から、女性に対する支援は立派に成果を上げるということを確信しています。これらネパールの奨学生は政府、NGOの職員となったり、教師になったりで、立派に社会貢献をしています。

マララ・ユスフザイさんは201210月にパキスタン北部で、「女の子のくせに学校に行っている」ということで、タリバンから銃撃を受け、重傷を負いましたが、九死に一生を得て、今や、「教育が世界平和にとって一番重要だ」と立ち上がりました。覚えていますか、マララさんを?2013年の712日には国連本部で「ペンは剣より強し。世界のすべての子どもが教育を受けられるように」と演説し、世界の指導者に「世界中の子どもたちが無料で義務教育を受けられるように」と求め、「教育こそが貧困と無知をなくし、世界平和の唯一の解決策だ」と訴えました。

 女性の地位向上・ジェンダー平等に先ず必要なのは教育です。女性が社会に進出し、若い人たちが世界平和建設のために立ち上がるのに必要なのは教育です。マララさんの檄を受けて、私たちが行動する必要があります。経済大国日本は対外援助(ODA)を増額して教育の普及を計りましょう。もしあなたが世界平和を願うなら、その気持ちを政治家に届けましょう。ジェンダー平等を実現したいのなら、声をあげましょう。そして、皆で、戦争のない、平和な社会建設に励みましょう。

世の中の人々が自分の生き方、考え方を押し付け、相手を排除する代りに、お互いに助け合い、お互いに生かされて、毎日を平安に送れることを感謝すれば世界に平和は実現できるのです。現代に必要なのは謙虚な心とすべてに感謝し、世の中のすべてのものが「ひとつ」だと理解することではないでしょうか。所詮、私たちが問題にしている「差」は私たち自身の自己中心的な考えと自分たちの権益を擁護しようとする心の産物なのだから、感謝と謙虚さが世を救うと言っても過言ではないでしょう。

 私たちは38日に出発し、一向14人でネパールに向かいます。ネパールで上述のような生き方、支援を実行しているOKバジ(垣見一雅さん)の20周年記念式典に参加するためです。OKバジの高邁な人格に触れ、彼の実践している「自助努力」をいかに支援できるか学んできます。

国際支援とは言うは易く、行うのは難いものです。だがやらなければならないのです、次世代のために、わが子、わが孫たちのために。 さあ、考え方を改めましょう、生活程度を改めましょう、ほどほどに生きて、感謝と謙虚さをもって毎日を送りましょう。

今まで申し上げてきたことは、男性の理解と協力がなくては実現不可能です。

でも、この運動を先駆けるのは、女性でなくてはなりません。女性が先ず、既成概念をぬぐい捨て、新しい価値観を打ち立てなければならないのです。大げさなことは考えなくていい、大きなことはやらなくていい。やれることを、こつこつと続けましょう。途上国の子どもに就学の機会を与えましょう。そのために少し経費を節約して(ビール代、チョコレート代、煙草代など)奨学金をねん出しましょう。

途上国の女性が自立できるように技術移転をしましよう。マイクロクレジットをアレンジしましよう。彼女たちの作ったものが日本で売れるようフェアートレードも考えましよう。そして、日本の女性が先駆けて、全世界の女性が一丸となって平和な世界を築きましょう。