2013年1月25日金曜日

アルジェリアの事件を巡って


 今回発生したアルジェリアの事件を巡って日本政府の対応、マスコミによる事件報道の在り方、またそれに関して「有識者」の対応など様々なことを観察させていただきました。この事件の犠牲になられた方々に心から冥福をお祈り申しあげます。
 結果論ですが、今回の悲劇は、私たち日本人全員が持っている「平和ボケ」、日本政府、特に役人と政治家の持っている大国意識、現行の法制の不備に尽きるといえると思います。
 まず、第一の平和ボケは、私たち日本人は世界中どこに行っても安全だという神話を持っていることと、どんな人でも自分(日本人)には害を与えないという思い込みがあるということではないでしょうか?そのため、世界どんな場所でも必要な自己防衛の手段を講じないし、大使館でもそれぞれに国に当てはまる邦人保護のための安全保護計画や緊急脱出のプランが不備ということ、そして、それぞれの国で友好国大使館と常時安全保障の打ち合わせが行われていないこと、駐在武官がいないことなどなど数えると限りがありません。世界中で日本ほど安全な国はありません。一歩日本を出たら常時危険に遭遇するとの覚悟が必要です。
 第二の大国意識とは、日本のいうことはみんな聴いてくれるという思い込みです。日本が普段からその国のために最大限と思えるような援助、特に、「人間の安全保障」を実践していれば、その国は日本のいうことに耳を傾けるでしょう。反面、自国の景気を理由に、現在のように援助の資金や対話を減らし続けているのでは、どの国でも日本の発言には耳をかさないでしょう。今や、国際社会での日本の発言の比重は非常に軽いものになっているということを政治家たちは明記すべきです。まさに、「情けは人の為ならず・・」です。世界が平和であり、日本がその存在感を示そうと思えば、日本政府は対外援助(ODA)を増やすことはあっても、減らしてはいけません。1520年前の日本は世界一の援助国でした。みな日本の発言に注意を払いました。いまや"Japan passing"の時代になってしまったのです。日本の宰相はこの事実に気づくべきです。
 第三の問題は議論を待たないでしょう。憲法との兼ね合いで「想定外」の出来事に対応できないのが 現行の自衛隊法です。自国民の外国での安全が保障できない自衛隊、飛行機を飛ばすのにも様々な理由をつけなければならない事実、少しでも危険を察知したら引き上げてくる自衛隊… 国会議員の方々に英知を傾けていただいて、日本国民の安全が少しでも保障できるような立法措置をお願いしたいとぞんじます。