昨年、年も押し迫った12月28日に久司先生の訃報が飛び込んできた。先ず、思いがけないメールであったので、ショックを感じて,一種の虚脱感にとりつかれた。しばらくして、先生は膵臓に転移したがんで亡くなったとの情報が届き、「ああそうか」と気持ちの整理がついた。先生は88歳で、家族にみとられての大往生であったそうである。
先生が逝ったということは、私にとっては、そこに大きな空虚が出来てしまったということだ。先生の永年のご指導によって命や健康を守る指導者たちは沢山養成された。世界中どこに行っても、活躍している久司さんのお弟子さんたちにお目にかかることが出来る。でも、哲学者として、スピリチュアル・リーダーとしての久司先生の後を誰が継いで行くのかと言うと、ちょっと首を傾げざるを得ない。同時に、彼が持って生まれた精神性の高さを継承してくれる人も簡単には見つからない。これは後に残された私たちが、心を同じにする人たちが集まって世界平和(One Peaceful World)を築くしかないだろうと思う次第である。先生が私たちに残していった宿題である。アレックス:ジャックや橋本宙八などと連携して真に平和な世界を築くために及ばずながら努力していくつもりである。
久司先生は、世界の平和は各個人が調和のとれた身体と精神を維持し、お互いの足りぬところを補い合って築くものだということを実証された。彼は、決して他人様(ひとさま)を決めつけることなく、裁くことなく、思いやりを持って生活された。私は彼が他人の考えや行動を批判するのを聞いたことがなかったし、また、公に批判されても、にこにこと、そして泰然として、自分の信ずる道を粛々と歩まれるのが常であった。彼はマクロビオティックの究極の目的は世界中の人達がにこにこと健康に暮らし、お互いに助け合って何の心配もない生活を送ることだということを示してくれた。
人間は本質的には自己中心であり、欲望の自制が難しい存在である、そして、久司先生は「人は普段食べている食物のお化け」であると実証された。性格も、DNAも、健康も毎日の食事で形成されるものだとも示された。人が毎日何を食べ、何を考え、何をするかというのは、現代において個人に許された数少ない選択肢であるので、これらを巧みに選択することによって健康と世界平和を入手することも教えて下さった。
後に残された私たちは、及ばずながら、久司先生の哲学と教えを奉戴し、志を同じくするもの同志で協力して、人々の健康、そして究極的には世界の平和を実現するために今迄以上に努力をする必要があろう。先生は天国から我われが右往左往するのをにこにこと眺めていられるだろう。そして、私たちの祈りを通じて、私たちを導いて下さるだろう。
久司先生の薫陶を受けられた皆様と共に、及ばずながら、One Peaceful World
実現の為に余生を捧げることを先生の霊前に誓うものである。
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