2015年1月16日金曜日

地球憲章って知っていますか?

 1月14日に国連大学で、「マンガ地球憲章」と言う冊子が配布され、皆で地球環境問題を解決しようという会議が開催された。主催者は元参議院議員・環境庁長官の広中和歌子さん、元国連人口基金事務局次長・ICU教授の功刀達朗さん、及びコメンテーターがアジア女性交流・研究フォーラム理事長の堀内光子さんと言う顔ぶれであった。会議参加者は元国連職員、現在活躍中の学者さん達、少数のNGO職員、更に少数の学生さん達であった。
 配布された冊子は、様々な環境問題を、マンガを使って、簡単に、また、要領よく説明している。参加者たちは冊子の内容や技術的な面に関して、それぞれの立場から、専門的なコメントやアイデアを述べ、活発な意見交換が行われた。
 地球憲章そのものは2000年にユネスコで採択され、当時の世界政治指導者たちの支持で世界に広まったものである。マンガ地球憲章では世界の人口爆発に始まり、食糧と水の問題、地球温暖化、異常気象や、武力闘争、差別等様々な問題が分かりやすく解説され、解決法が提起されている。
 地球はいま未曽有の環境危機を迎えている。そこで現世代に求められるのは様々な問題を一つひとつ解決するという決意と行動であることは言うを待たない。現在の環境問題は全て第二次世界大戦後70年間に人類が創り出し,産みだしたものである。従って、我々はこの掛け替えのない地球をきれいにし、次世代に引き継ぐ責任を持っている。ただ、問題は環境破壊の責任者たち、つまり、一般の市民はそうした責任を自覚することなく、考えることと環境保全活動は政府に任せ、自分たちは安楽な生活を維持することに汲々としている。従って、今必要なのは全国民と政治指導者たちを啓発し、地球を救う為の手段を次々と打ち出すことである。その為、このマンガ地球憲章の会議に参加した人たちは、地球憲章の求める活動や解決策を日本国民に、周りの人たちに、家族の人達に説明し、国民運動を起こす責任を負っている。そういう意味で、NPO2050はマンガ地球憲章を活用して啓発・広報運動を強化し、実践中の中国の黄土高原における植林活動を更に推進するものである。特に、若い人たちにはこのシルクロード緑化活動にボランティアとして参加してもらい、大気温暖化防止、貧困削減、女性のエンパワーメントがどういうものかを実際に体験してもらいたい。
 国民に対する働きかけ、啓発と言う意味では、NPO2050はこれからマンガ地球憲章の内容を、フェイスブックなどを通じて、広く世に訴えるつもりである。従って、皆様のご理解とご支援をお願いする次第である。

2015年1月7日水曜日

久司道夫氏の訃報に接して


昨年、年も押し迫った1228日に久司先生の訃報が飛び込んできた。先ず、思いがけないメールであったので、ショックを感じて,一種の虚脱感にとりつかれた。しばらくして、先生は膵臓に転移したがんで亡くなったとの情報が届き、「ああそうか」と気持ちの整理がついた。先生は88歳で、家族にみとられての大往生であったそうである。

先生が逝ったということは、私にとっては、そこに大きな空虚が出来てしまったということだ。先生の永年のご指導によって命や健康を守る指導者たちは沢山養成された。世界中どこに行っても、活躍している久司さんのお弟子さんたちにお目にかかることが出来る。でも、哲学者として、スピリチュアル・リーダーとしての久司先生の後を誰が継いで行くのかと言うと、ちょっと首を傾げざるを得ない。同時に、彼が持って生まれた精神性の高さを継承してくれる人も簡単には見つからない。これは後に残された私たちが、心を同じにする人たちが集まって世界平和(One Peaceful World)を築くしかないだろうと思う次第である。先生が私たちに残していった宿題である。アレックス:ジャックや橋本宙八などと連携して真に平和な世界を築くために及ばずながら努力していくつもりである。

久司先生は、世界の平和は各個人が調和のとれた身体と精神を維持し、お互いの足りぬところを補い合って築くものだということを実証された。彼は、決して他人様(ひとさま)を決めつけることなく、裁くことなく、思いやりを持って生活された。私は彼が他人の考えや行動を批判するのを聞いたことがなかったし、また、公に批判されても、にこにこと、そして泰然として、自分の信ずる道を粛々と歩まれるのが常であった。彼はマクロビオティックの究極の目的は世界中の人達がにこにこと健康に暮らし、お互いに助け合って何の心配もない生活を送ることだということを示してくれた。

人間は本質的には自己中心であり、欲望の自制が難しい存在である、そして、久司先生は「人は普段食べている食物のお化け」であると実証された。性格も、DNAも、健康も毎日の食事で形成されるものだとも示された。人が毎日何を食べ、何を考え、何をするかというのは、現代において個人に許された数少ない選択肢であるので、これらを巧みに選択することによって健康と世界平和を入手することも教えて下さった。

 後に残された私たちは、及ばずながら、久司先生の哲学と教えを奉戴し、志を同じくするもの同志で協力して、人々の健康、そして究極的には世界の平和を実現するために今迄以上に努力をする必要があろう。先生は天国から我われが右往左往するのをにこにこと眺めていられるだろう。そして、私たちの祈りを通じて、私たちを導いて下さるだろう。

久司先生の薫陶を受けられた皆様と共に、及ばずながら、One Peaceful World

実現の為に余生を捧げることを先生の霊前に誓うものである。