5月1日付けの世界人口ブレティン148号に記載してあるように、今年は世界人口問題にとって、わが2050にとっても、20年の節目を迎える大切な年である。
2050は過去20年間、皆様の支持と励ましによってそれなりの成果をあげてくることができた。でも、諸般の情勢に押されて、その運営は徐々に難しさを加えてきている。今年が山で、ここで起死回生の手段を講じないと悔いを千載まで残すことになるであろうと感じている。
世界の人口問題も、カイロで開催された国際人口開発会議から20年。国連人口開発委員会が4月7日から11日まで開催され、カイロで採択された行動計画がどの程度成功裏に実施されたかが評価された。詳しくは人口ブレティン148号をご覧いただくとして、一口で言えば、国際社会の努力は“まずまず”というところで、初等教育の普及と貧困削減では成果を上げ、他の分野、つまり、妊産婦死亡率や出生率の低下などでもある程度の成功を収めていると言う評価であった。ただ問題は、ジェンダー平等、若者対策、高齢者対策、リプロダクティブヘルスの普及などではまだまだ努力が必要であると指摘をされていることである。
これらの問題解決に向けて、国際社会にはなお一層の努力が求められているが、依然としてリプロダクティブヘルスや女性に対する偏見に固執する発言があることを鑑みると、残された課題は大きいとしか言いようがないであろう。これを、2013年の世界人口白書で数字を少し検証してみると次のようになる:
平均寿命 妊産婦死亡率 避妊実行率 家族計画の
男 女 (出生10万対) 近代的方法 (%) 未充足ニーズ%
日本 80 87 5 44 0
世界 68 72 210 57 12
サハラ以南の
アフリカ 55 57 500 21 25
このような数字を見ると、いかに日本人は恵まれているか、反面、多くの人たちが、特に女性が、社会の片隅に置き去られているかがはっきりする。私たちが少しその気になって支援すれば、彼女たちの運命は好転するのだ。人並みの生活が送れるようになるのだ。
国連人口開発委員会において阿部俊子衆議院議員は日本政府を代表して、世界一高い健康寿命の国を実現した経験を他の国と共有する用意があると発言した。ぜひ日本政府が今後積極的に女性の地位向上やリプロダクティブヘルスの普及のために努力をしてほしいし、私たちも政府の国際社会におけるこうした活動を見守っていかなければならない。心から願うのは、日本政府が世界の貧しい人たちのために、女性の命が大切にされるような世界を実現するために、国際社会で指導性を発揮し、ODAを増額して、日本の経験や教訓を途上国と共有して、真に平和な世界を築いて頂くことである。
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