2013年10月20日日曜日

国際ガールズ・デー


1011日は「国際ガールズ・デー」でした。国連事務総長はメッセージを発表し、「女児のエンパワーメントを図り、その権利を保障し、女児が受けている差別と暴力に取り組むことは、人類全体の進歩に欠かせません。女児が当然受けるべき教育を提供することは、こうした目標すべてを達成する最善の方法の一つです」と述べています。

全くその通りで、世界から暴力や偏見、差別を取り除こうと思ったら、人類は先ず世界中の女児が何の心配もなく教育を受けられるように図らなければなりません。先ず初等教育、次いで中高教育、そして大学レベルの教育と、現在みられる男女間の教育に関する差別を除去し、知識の習得だけではなく、ありとあらゆる「いのち」に対する思いやりや愛すること、助け合うことなどを特に女性に習得してもらうことが必須です。女性の本質、つまり、母性本能は、「愛すること」=「恕す(ゆるす)こと」に他なりません。つまり、この「恕す」という字が示すように、女性の本来持っている思いやりの心と優しい言葉は世界平和達成には欠くことのできない要素なのです。教育はそれを自分だけのためでなく、ほかの人々や生きとし生けるのものにも及ぼすように教えてくれます。

昔から言われているように、「男性に教育を与えても、成果はその男性に限られるが、女性の場合は、それが家族、自分の子どもたち、地域社会全体に及ぶ」のですから、女児が教育を受けければ、男性に比べて、その成果は、そして、世界平和への寄与は数十倍となります。

パキスタンのマララさん(16歳)が今年のノーベル平和賞の候補として取りざたされ、惜しくも受賞を逃しました。女性の教育推進の立場からすると残念です。でも、マララさんがかって国連でのスピーチで述べたように、「教育は武器よりずっと強力」なことは明らかです。特に、女児に対する教育は。

各国政府は男女の差別のない教育普及を誓っていますが、いろいろな文化や伝統の中では、それは簡単には実現できていないのが現実です。初頭教育に関しては、MDG目標のもとかなり進展を見せましたが、中高校教育や大学教育では心さみしい限りです。途上国政府任せや男性任せでは世界平和の樹立はほど遠いものです。皆さん、世界の女児に対する教育支援を盛り立てましょう。世界で一番教育の普及している日本、私たちの声を国際社会に届けましょう。積極的に女性の教育のために募金し、努力しましょう。

私たちNPO 2050も途上国の女児支援を世界平和確立のための三本の柱の一つにして活躍中です。私たちの経験でも、女児教育の成果は立証済みです。皆様のますますのご支援とご鞭撻を心からお願いする次第です。

2013年10月9日水曜日

9月講演会の報告


「どうすれば内部被爆を避けられるのか」という題で、
フリージャーナリストの守田氏をお招きしてお話をいただきました。
 いつもと比べて会員以外の参加者の割合が高かった今回、2050会員は放射能問題に対する興味がないのかなぁ、という私の心配から始まった会でした。
 東日本大震災と福島原発事故からはや2年半。東北での復興が進み、関東では多くの人が「普通の」暮らしに戻り、東京都内及びその近郊での暮らしには今や支障が出るような影響がないように見えますが、実は、生命に関わる深刻な問題が引き続き発生し続けており、いつ爆発するかわからない爆弾を抱えたまま問題は更に悪化しているということです。それにも関わらず、私たちは、情報操作され危険な状態を知らされないような環境で生活しています。ひとりひとりが自ら正しい情報と知識を手に入れなければ、遅かれ早かれ、取り返しのつかない事態が、全員に起きかねない、という状態です。

 講演内容は放射能と放射線の構造、広島・長崎原爆から続く放射能問題と政治的・国際的な背景、福島の現状、健康被害、原発の現状、東京及び近郊での放射能および汚染水の現状、東京オリンピック決定の影響、今後気にしていかなければいけないこと、食と健康について・・・など本当に多岐にわたり、内部被爆について考えることが生活スタイルそのものに関わっている、ということを知る充実の2時間でした。

一部ですが内容をご紹介します。
 放射能は、風の通り道に沿って拡散します。よって、地盤がしっかりした土地に敷設される鉄道のルートと放射能が飛散ルートはほぼ一致しているのだそうです。福島原発から何キロ圏内/圏外、という地理的な数値は目安にならないので「福島から200㎞以上も離れているから安全」などということは全くない、実際に、今も、東京は安全ではない、ということを前提にする必要があります。

  移動してきた「放射能」から「放射線」が放たれて身体に影響を及ぼします。放射線は光源のようなものなので、光が暗くなる距離まで光源から離れればいい、体に触れなければいい。しかし、放射線を発する放射能を体に取り入れてしまうのが恐い。放射線を発する放射能が体に入ってくるのが内部被爆です。

 体に取り入れられ、体内に放射能汚染を及ぼす内部被爆では、外見からはその影響が見えません。ただし、影響を及ぼしうる対象は、私たちの体内のありとあらゆる臓器・筋肉・細胞・DNAです。脳内の海馬に影響しやすいため認知症になるかもしれない、心筋に入り込めば心筋梗塞になるかもしれない。。。風邪が治りにくい、ものもらいが何週間も治らない、原因のわからない内出血がずっと消えない・・・こんな影響が実際に起こるかもしれず、実際に起こっているのです。マスクをしたり手洗い、うがいを徹底することが、誰でもでき、効果が期待できることだそうです。免疫力を向上させ、体の異変に敏感でいることが、自分を守る方法なのです。

 風に乗ってやってくる放射能汚染問題だけではなく、今や汚染水問題が非常に深刻です。原発事故によって発覚した構造上・建設されている立地上の問題もあり、地下水の流れに乗って流出している汚染水は、原発事故直後から流出し続けていると考えられています。今でも推定400トンの汚染水が海に流出しているのです。人も機械も入り込めないほどの高濃度放射能を発する現場で、何が起こっているのか誰も知る余地もなく、解決の目途もたたず・・・

今年の4月の時点の報道によれば首都圏河川の放射性物質は基準値の1420倍。今でも汚染水の水がめ状態であると危惧されます。

東京オリンピック開催が決定した今、東京が安全である「必要」が出来てしまいました。爆発寸前の爆弾を抱えたまま、被害が深刻化する危険を抱えたまま、汚染の実態や被害の実態が表に出ない可能性が高くなるそうです。確かに、政治的背景を考えれば想像に難くないのが本当に恐ろしい・・・

  被爆の可能性・実態を放置する、隠す・・・これは大げさではなく、貧困や飢餓、教育機会損失と同じレベルでの構造的暴力であり、人権に関わる問題だとのこと。本当にその通りだと思います。命と人権と環境のために、今できることを何か始めたい、そんな気持ちが強くなる内容でした。

 
「どうすれば内部被爆を避けられるのか」

 
 今回の講演でいただいた答えは、「目をそらさずに真実を追い続けること」 です。

まずは、私たちが置かれている状況を知らなければいけません。

のんびりしたのでは、操作された情報しか入ってこないような環境ならなおさらです。

 
「放射能」「セシウム」・・・という言葉に敏感になる

新聞を読み比べる、情報をしっかりと発信する報道を選ぶ

 (守田氏の感触では、東京新聞が細やかな報道を行っているとのこと)

情報の出所を気にしながらニュースを追う

手洗いうがいを徹底する、マスクをつける

病気に対する知識をつけ、体の異常に敏感になる

免疫力をつけるために体に良い生活スタイルを心がける

知識をつけ、大事な人たちと情報を共有する

家族や友人と避難場所、経路を決める、いざという時の話をする

原発について考え、意思を持つ

関連する活動に参加する、あるいは、活動している人を支援する

・・・・

全て、今できること、2050に関わる全ての方に実践していただきたいことです。

 

守田氏ブログ 「明日に向けて」http://toshikyoto.com/

 ぜひ定期的にご覧ください。

 原発、放射能に関する有益な情報と意見がここにあります。

 

関西を中心に活動されている守田氏ですが、

また2050のために上京してくださる、とおっしゃってくださいました。

次回の機会には、更に多くの皆様のご参加をお待ちしています。

 

引き続き、NPO2050のご支援を宜しくお願いいたします。