2013年7月29日月曜日

参議院選挙が終わった


 予想されたように自民党の圧勝に終わった。民主党の惨敗も予想通りだ。だが、国民の投票率はようやく50%をわずかに越えた程度だ。言い換えると国民の半数はアベノミクスが順調に経済活動を振興してくれることを期待し、あとの半分はすっかり白けて何も期待していないということだろう。参議院での「ねじれ」は解消した。これからは、自公の思うように政局が動くことになるだろう。願わくは、国民が今後あまり失望することのない、または、「想定外」だったなどということのない政策を実施していただきたいものである。

 日本の前途には難問が山積している。世界の環境問題、貧困の問題、男女間の不平等の問題、たまる一方の国債、急速な国民高齢化、消費税の増額、PTT、途上国から寄せられる信頼感の先細り、21世紀における国際貢献の在り方、エネルギー、水、食糧の確保、など数えだすときりがない。これに原発の再稼働や輸出の問題や憲法改正の問題が加えられる。

 我々の前途は決して明るくない。なぜなら、21世紀末を見据えてのビジョンも政策の発表もない、国民も政治家も目先の問題に振り回されている、あらゆる問題は先送りされ、根本的な解決策は示されない。何より遺憾なのは若い人たちの政治に対する無関心さだ。でも、これらはすべて我々が当然として受け入れている「生き方」に他ならない。すなわち、大きな問題はすべて「お上に任せ」、お上はお上で「愚民政策」に徹している。必要な情報は隠蔽されたり、発表は引き伸ばされたりで、国民は「なんだこれは」と口あんぐりすることが多い。国民の半数が政治に背を向けるのは当然だろう。望むらくは、総理大臣が50年、100年先の世界と日本の在り方を示すというリーダーシップを発揮することである。今や「ねじれ」も解消された。総理大臣が日本の歩むべき道を示すいい機会が訪れている。

 これからは、国民一人一人が自分たちの将来や運命に決定的な影響を与えるような問題に興味を持ち、取り組んでいかなければならない。自分の意見を持ち、それを発表し、討論していかなければ、日本は沈滞していくのみである。若い人たちに立ち上がってもらいたい。右や左の人たちに同意するのではなく、自分の考えを、意見を堂々と述べて欲しい。そして、一人一人が日本の将来に責任を持つというつもりで生活してほしい。

2013年7月14日日曜日

7月11日は世界人口デー


 国連は世界人口デーに先立って、2012年版の世界人口推計を発表した。それによると、2年前の予測より高いものとなっている。例えば、2年前の予測によれば、2050年の世界人口は930600万人になるとしていたのが、今回は955095万人となっている。毎年8200万人ずつ増える勘定だ。その増加の殆どは開発途上国で起こっているのだ。この調子で増えて行ったらこの地球は人類を養えるのだろうか?

 パン・ギムン国連事務総長は、この日、毎年1600万の十代の女性が出産しているが、彼女たちには教育はおろか家族計画や性教育が行き届いていないということを指摘している。必要なのは全女性に母子保健サービスを保障することが大切だと説いている。全くその通りで、我われは、地球の片隅で学校にも行かせてもらえず、必要な情報やサービスも与えられず、ひたすらに男性どもに押し付けられた運命を受けいれるのみの若い女性たちに救いの手を伸ばすべきではなかろうか。

 1日あとの12日には、パキスタン北部で昨年10月イスラム武装勢力に襲われ、頭部に重傷を負ったものの九死に一生を得たマララ・ユスフザイさんが(16歳)国連本部で演説し、「世界中の子どもみんなに無料の義務教育を与えてください」と訴え、参加者全員に多大な感銘と共感を与えた。まさに「その声や良し」で、世界中の若者、特に、女性に、漏れなく義務教育を受けさせることが世界平和を実現するための第一歩であると指摘した。これこそはNPO2050が第一に掲げる目標であり、忘れてはならない合言葉である。

 我々は日本というありがたい国で豊かさを満喫して生活している。そして国民と政治家の多くはひたすら金儲が大切だと考えている。世界人口がどんどん増加しているとか、途上国の女性のティーンエージャーの多くが人並みの扱いを受けていない、または初等教育も受けさせてもらえないなどということには無関心・無頓着だ。2050年になったら、わが子、わが孫たちに十分な食糧がいきわたらないだろうとか、世界では人並みの生活もすることのできない人が13億人近くいるということを知ったら、考え方や生活を変えるだろうか?そういう気の毒な人に救いの手を伸ばそうと考えるだろうか?

 国民一人一人が、国際公約に従って、ODAを国民総所得の0.7%まで増額することを容認し、世界で男女間の差別待遇を撤廃し、世の中に「正義」を全うしようと思えば、そして、そのための行動を起こせば、上記の問題などはいとも簡単に解決できる。そしてそのための費用などは世界の軍事費に比べれば、微々たるものだ。どうだろう皆さん、現状を座視し何もしないでいて良いのだろうか?それとも、わが子、わが孫たちの将来を少しでも明るいものにすべく、どんどんと発言し、行動を起こし、世界を少しでも良い方向に変える努力をすべきだろうか?すべてはあなたの考え方と行動にかかっている。

 参議院選挙も間もなく行われる。ここは良く将来のことを考えて、子や孫たちのために少しでも明るい世界を残すべく悔いの残らない決断をして欲しいと熱望する次第である。