わが国では民主党が政権をとった。新しいビジョンが国民に、そして、国際社会に示された。鳩山首相の国連での演説を途上国は歓迎し、日本は国際社会でしばらく放棄していた指導力を取り戻しつつあるように見受けられる。アメリカもオバマ大統領がさまざまな新しい政策を導入しようとしている。特に、国民健康保険の導入に関する賛否両論はアメリカの世論を二分しているが、既得権を持つ人々の声が貧しい人々の基本的人権を損ねることなく、すべてのアメリカ国民が健康で、安心して住める国になって欲しいものである。更に、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞は新しい時代の到来に対する期待を示すものであろう。
さて、ここでわが国の将来に責任を持つ人たち、つまり政治家に注文したいことがある。それは、政治家は日本国内の問題のみを考えることなく、短期的な視点を持つこともなく、日本と世界の将来に目を向けて「まつりごと」を行って欲しいということである。つまり、冗費の節約は良いが、日本と世界の平和に向けての投資は増やすことはあっても削ってはならないということである。
ODAは世界から貧困や不平等をなくすための最高の投資であり、いままでの日本のODA貢献は最近の減額にも関わらず国際社会から依然として高く評価されている。
貧困や不平等のない世界は平和な世界である。貿易国日本にとって世界が平和で、各国が日本に友好的であることは日本の繁栄にとって欠かせない条件である。そういう条件つくりにとって必須で効果のあるものがODAである。国際社会ではODAは国内総生産の0.7%にしようと約束している。しかしながら、現在の日本はわずかに0.2%しか拠出していない。この数字は「吹けば飛ぶ」ような小さな数字である。防衛予算のわずか20%にしか当たらない。日本の将来のため、世界平和のために、この数字を少なくとも当面0.4%にまで増額して、日本の存在感を国際社会で示して欲しいものである。
2009年10月12日月曜日
2009年4月18日土曜日
シルクロード緑化活動
4月7日から一週間にわたって、黄土高原でのシルクロード緑化活動の一環として、8名のボランティアとともに陝西省楡林市へ行ってきましました。全員が60代、70代、80代というシニアーたちで、それぞれ環境問題解決のために情熱を燃やしている人たちです。
この活動は国土緑化推進機構の支援をうけて、楡林市のはずれに広がる黄土高原で年々15ヘクタール緑化して、土壌流出、黄砂などを防止し、同時に、地中の水分を確保しようという目的を持っています。更に、農民たちが自主的に緑化活動に取り組むように、整地・植林・植林後の管理に対して一定の「管理費」を支払い、農民の収入と貧困撲滅への道を開いているものです。植林には中国の在来種、沙棘を選びました。沙棘は乾燥や寒暖の差に耐え、根を広げて土をおさえる上に、空中の窒素を地中に取り込んでくれるという有難い樹です。植林後4-5年で実がなり、漢方薬やジュースの原料として農民が採集して売却できます。
植林活動そのものは昨年の10月から11月にかけて、農民たちが自主的に135ヘクタールと、目標の15ヘクタールを遥かに超える植林をしました。従って、私たちは活着しなかった苗木を補植することと、懸案である「農民の苗木基地」を作るお手伝いをするつもりでした。ところが、現地に到着してみると昨年の植林以来一滴の雨も雪もふらず、大変な旱魃だというのです。なるほど現場を見ますと完全に乾燥しています。水不足が恒久的な黄土高原ですから、補植するにしても一雨降ったあとでなければ駄目だということになりました。更に、あと三ヶ月旱魃が続けば植林した沙棘は全滅するだろうとのご託宣もありました。全員思わず天に向かい手を合わせて「どうぞ降雨がありますように」と祈りました。すると、その晩、なんと、小雨があったのです。更に、その翌日には夜分に雷雨があり、たっぷりとお湿りをいただきました。私たちの祈りが通じたのです。私たちの泊まっていたホテルがたまたま「天佑大酒店」という名であったことから、これこそ天佑神助だと大喜びをしました。
補植という作業が後回しにされたお陰で、私たちは毎日急坂をよじ登り、あちらの山、こちらの山と、毎日10キロほど歩いて、昨年、一昨年に植林をした地域を丹念に調査することができました。そのため、最期に政府の代表,農民の代表たちと会合を持ち、問題点を煮詰め、今後の活動のために解決策を合意することができました。結果として、全員満足して帰国ができました。
今回の植林旅行のお土産は、足腰が丈夫になったことと、お腹の周りがベルトの穴一つ
縮んだことです。
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